自宅の資産価値の概要とは?
現役世代を引退後に住まいを変える方が増加しています。その潮流にはまったく異なる2つのベクトルがあり、雇用延長終了などを契機に田舎の実家や地方に居を構えるという層と、逆に首都圏や地方大都市圏にマンションなどを購入するという層の2つに分かれているようです。いずれにしても転居するとなると、現在の持ち家などの不動産は処分して新たな生活を開始するにあたっての生活資金を工面する必要があります。ところが実際には手持ちの家などの不動産価値が低くなってしまい、売るにしても買い手が付かない事態が続出しているそう。日本の土地は狭いうえに人口密度が稠密なこともあって、ながらく「土地神話」が信じられてきました。にもかかわらず不動産価値が下り処分に困るような事態にどうして直面することになるのか、一軒家を中心に日本の不動産価値の概要を御紹介します。

一軒家は家が建っている底地と、その上に存在する建物の二つの不動産で構成されているわけです。広い敷地に山の手の町並みに立派な豪邸を目の当たりにする機会があるかもしれません。なかにはデザインや外壁素材の選定・エクステリアの充実振りなどに思わず息を呑むほどの邸宅もあります。さぞかし建物の価値が高いものかとおもいきや、日本の不動産市場では不動産価値を決定づけるのは、90%近くは底地、つまり土地の価格とされています。つまり一軒家(マイホーム)の資産価値のほとんどは底地で構成されているというのが現実。それでは底地の相場額を決定付ける要因はなにかときけば、それはいわゆる「立地」条件。「立地」条件とは交通アクセスへの利用しやすさや、周辺の商業施設や医療施設や教育機関などの各種の設備の充実振りなどで構成される住みやすさの目安のことです。
現実には立地条件が良好な土地には、すでに中古住宅が建設されており、新築住宅は余った場所を探るようにして建築されています。そのためただでさえ進捗住宅の一軒家の資産価値は低く見られがちですが、今後は少子高齢化と世帯数減少で中古住宅が急増するものと見られています。投資の妙味で言えば、新築住宅はのちに値崩れするリスクは高く、好立地条件の土地や中古一軒家の価格が上昇するものと見られているのです。そもそも建物自体は減価償却で25年も経過すれば、ほぼ0となり底地の価格がそのまま不動産価値と評価されるのが現実といえます。床面積が狭く、建築には条件も多い新築物件にこだわりをもつよりは、比較的立地条件に恵まれた中古住宅を購入しリフォームでスペックアップさせたほうが資産価値防衛の観点からも賢明といえそうです。