大きな資産であるマンションの売却を考えている際には、どのタイミングで売れば最も得するのかと悩むことが多いものです。そのような場合にはこれまでのマンション価格推移から、傾向を掴み予想をする必要があります。感染症のパンデミックをきっかけに先の読めない時代になったといわれることが増えていますが、まずはマンション価格の売却相場の推移20年と中古マンション成約件数をチェックして見ることをおすすめします。

マンションの価格は全国的に過去20年で上昇していて、特に首都圏は全国的に見ても平均価格の上昇幅が大きいのが特徴です。東京都23区は2002年の頃は4600万円ほどだった平均価格は、2020年のころには約7700万円ほどにもなっています。横浜・川崎市や埼玉県、千葉県を含む首都圏全体でも平均4000千万円ほどだったのが、6000万円にも上昇しています。とはいえずっと上がり調子だったというわけではなく、2008年のリーマンショックのころには地域によっては価格も大きく下がったことがありました。全国平均ではそれほど大きな差があったわけではありませんでしたが、首都圏は他の地域と比較しても大きくマンションの価格が下がっています。特に東京都23区は大きく価格を下げているのが特徴的です。
その後2009年以降はやや上昇に転じましたが、東日本大震災のあった2011年には、首都圏や都内のマンションは再び価格を下げています。しかし2012年にアベノミクスが打ち出され、再び上昇し始めてからは多少の上下があったものの、これまでマンションの価格は全国的に上昇し続けてきました。そのような中で起きているのが2020年より始まった、新型コロナウイルスのパンデミックです。しかし2020年や2021年は、特にマンションの価格の平均が大きく下がっているというわけではありません。最新の不動産価格指数をみても、上昇しているということがわかります。細かく月別にみると増減はありますが、全体的には上昇しているのが特徴です。中古マンション成約件数はコロナウイルス感染症のパンデミックが起こった2020年は全国的に減少していて、特に首都圏では近畿圏よりも減少していました。しかし2021年になると、前年よりも増加しています。このようなことからパンデミックが始まった2020年の年明けのころと現在では、中古マンションをとりまく状況も変わってきています。